身体に炎症があると苦痛をともなう場合もあるが、無自覚のまま慢性炎症になる場合もある。メリーランド州の機能医学の医師マルゼナ・スレーター博士によると「炎症は体の自然な防御システムなので、正しいバランスであれば良いことかもしれない。バランスが崩れると問題を引き起こす」と述べている。また、アリゾナ大学医学部教授マリ・リッカー博士は、問題は高レベルの長期炎症だと指摘している。同じ炎症因子が固執すると体を傷つける可能性があるとも説明している。炎症は多くの慢性疾患に影響を与える可能性が示唆されている。「喘息、関節炎、糖尿病、持続する痛み、心臓病」などの状態が悪化する可能性もある。
では、どのように慢性的な炎症を管理したら良いのか。
リッカー博士によると、
長期の痛みなどの炎症を感じた場合は、まず治療計画を医師に相談することから始めるのがおすすめ。
疾患と直接関係ないと思っている痛みなども医師に相談すべき。
その上で、
1)栄養豊富な食品を食べる
砂糖やナトリウムを多く含み過度に加工された食品は最小限に抑えること。健康食品などで一つの栄養に焦点を当てるのではなく、包括的に栄養摂取する方が良い。加えて肥満は改善する方が良い。体の免疫システムの70%は腸にあるため、腸の健康は脳や心臓の健康に関係する。
2)適度な運動をする
定期的に体を動かすことは炎症を軽減するために重要。リッカー博士によると、運動はいくつかの炎症マーカーの産生を刺激するが、定期的な運動研究では、炎症分子とその後の炎症過程が減少することを示している。疾病管理予防センター(アメリカ)によると、適度な運動の量は、毎週計150分の強運動と2日の筋トレを目指すと好ましい。
3)ストレスを管理する方法を見つける
ストレスによるコルチゾールレベルの上昇で炎症が起こる可能性がある。ストレスが多い時期に発疹や消化器の苦痛の経験は多くの人に見られる。 少しのストレスは有益だが、慢性的にストレスホルモンが放出されると、細胞シグナル伝達につながる親炎症性サイトカインにつながる。慢性状態をほっておくと、回復が難しくなる。 (ついでに一言:マミ鍼灸院のシステマティック鍼灸はこのようなストレス反応を軽減させます。お灸には抗炎症成分であるチネオールが多く含まれます)
4)十分な睡眠をとる
リッカー博士によると、慢性的な睡眠不足は、炎症性分子を身体内で増加させることが研究で示されている。スレーター博士の話では、日中に活発に動く脳は多くの代謝産物を生み出している。夜間には「グランフォティックシステム」と呼ばれるシステムが体をスキャンしその代謝産物の破片を浄化している。慢性的睡眠不足は無自覚になりがちだが、代謝産物の蓄積により炎症を引き起こす可能性がある。
5)薬が役立つ時もある
医師との協力が必要な理由には、慢性炎症を軽減するのに薬が役立つこともある。「NSAID,または非ステロイド性抗炎症薬と呼ばれる急性炎症に使用される薬には良いものがある。しかし、薬は短期間、痛みを引き起こす急性障害にのみ使用すべき」、とリッカー博士は説明する。
全てをコントロールできる人はいないが、自分でできることから始めるのが大切。食事とライフスタイル習慣は健康のカギに違いない。