交感神経と副交感神経のバランスがよいと、白血球の比率はおよそ顆粒球6に対してリンパ球は4であり、免疫力は高い。自力で病気を治す力すなわち免疫力は自律神経のバランスにかかっていると言える。
通常人間のからだは、日中に交感神経が高くなり、夜間は副交感神経が高くなる。「日内リズム」により交感神経が活発になっている日中に活発に動き回り、日暮れとともに休息できるように体は作られている。
一方、交感神経が活発になると顆粒球が増えリンパ球が減少し、副交感神経が活発な状態では顆粒球が減少しリンパ球が増加することがわかっている。
日中に交感神経が活発であると、生物が活発に動き回っている間に傷を負ったりして傷口に細菌が侵入する機会が増えるが、細菌を撃退する顆粒球が増える仕組みになっている。また、夜間の休息時や食事するときなどの副交感神経が活発になっている時には、消化酵素で分解された異種タンパク質が体内に入ってくる。食物と一緒にウイルスが入ってくると顆粒球では対応でいないが、微小な異物処理を担当するリンパ球が必要になってくる。副交感神経が活発になるとリンパ球が増える仕組みになっている。
昼間に活動し、夜はぐっすり眠る。このような基本的な生活ができてこそ、体の自律神経とともに免疫力が保たれる仕組みになっている。不眠を感じておられる場合は、このような自律神経と免疫細胞のバランスが崩れていることが多い。