自分で選べる市販漢方薬の知識

女性三大処方(更年期漢方)

現代日本の鍼灸師は漢方薬の処方はできないが、もともと鍼灸と漢方は日本でも両方使われており、相乗効果も期待できる。幸い、ほとんどの漢方薬は第2類医薬品なので、薬局で市販されている。どれでも自分で選んで購入でき副作用の心配もあまりないので、店頭の薬剤師などに相談されてお試しいただきたい。次に更年期の漢方三大処方を紹介する。

当帰芍薬散

 

もっとも「虚証」タイプに使用する。特徴的な症状は、やせていて色白、冷え、虚弱体質、頭痛、めまい、肩こり、体に水が溜まりやすい(浮腫傾向)など。成分の朮(じゅつ)、沢瀉(たくしゃ)、茯苓(ぶくりょう)は利水効果がある生薬。

桂枝茯苓丸

 

当帰芍薬散よりも、少し「実証」タイプに使用する。瘀血症状が強く、冷え、のぼせが特徴。精神神経症状は軽度なもの。

加味逍遙散

 

症状が「逍遥」する不定愁訴に対する代表処方。血管運動神経症状と精神神経症状が混在した症状に用いる。構成生薬の「柴胡」「薄荷」「山梔子」は気に効くと言われる。三大処方の中で、最も睡眠障害の改善に使われる。